眠りの森のシンデレラ
だけど、私はそんな自分の顔が、大嫌い。
もともと背が低いのもあって、自分より背が高い人と話すと自然と上目遣いになるのは仕方ないこと。
それはわかってる。わかってるけど、この垂れた眉のせいで誘ってるだとか言われちゃ、嫌にもなるよ。
だから、私は顔が隠れるように、前髪を目にかかるあたりまで伸ばしてるし、それを止めようとも思わない。
「おぉ〜妃奈、おはよう。
今日も相変わらず可愛いね〜」
うちの父親は、なんというか、すごく、親バカ。
「ありがとうお父さん。
お父さんも相変わらず可愛いお顔で」
うちの家族はみんな可愛い顔をしている。
両親が可愛い顔立ちだからそれは仕方ないんだろうけど。
お父さんなんか完全に女顔だし、女装もバッチリ似合ってた。
よく女だけでお買い物〜、なんてことをするけどそこに女装お父さんが混じってることも少なくはない。
……よそから見ればうちは変な家族なんだろうな。
「妃奈、可愛いなんて褒めてるのかけなしてるのかわかんないから。
お父さんもう泣いちゃうぞ〜」