眠りの森のシンデレラ
ガタンガタン
「妃奈~、昨日言ったのにさ……
少しは妃奈を探すこっちの身にもなってよね」
「あー、うん
ごめん」
毎朝恒例の会話をしつつ、私は別のことを考える。
「妃奈?
昨日からどーしたのほんと
なんかあったならいつでも話聞くからさ」
「……うん、ありがと」
__昨日、図書館で目が覚めると私の前にノートの切れ端が置いてあった。
裏倉庫で待ってる、か……
差出人が書かれてなく、わざとなのか忘れてただけなのかはわからない。
ただ、問題はそこじゃない。
「愛梨……
顔、見られたかも」
「顔?
私も今見てんだけど」
「そうじゃ、なくて」
「え?
あぁ!」
「声、大きいよ」
電車の中なんだから……と言いながら耳を抑える。
「ごめ、妃奈、なんで見られたの?
その……コンプレックス、なんだよね
なんで……」