眠りの森のシンデレラ


「あ、そうそう

この際もう裏倉庫に来たとかどうでもいいからさ、俺とダンス踊ってよ」


ダンス……?

それって、他学年親睦パーティの?


「私、あのパーティには行きませんけど」


「そこをなんとかっ!ねっ?お願い」



っ!
なんで上目遣いになるの。

大神先輩は私よりも背が高いはず。椅子に座ってるからと言っても、普通に座高の高さにも差ができるわけで……

私、こういう人、苦手なんだよね。
こんな頼み方されたら、断れないもん……


「……少し」


「え?」


「っ、少しだけならっ、いいですけど」


「ほんとに?っしゃ!」



少しだけ……そんな条件付きなのに、すごく嬉しそうな大神先輩。

……どうしよう。


今更だけど、今この顔で約束しちゃったって事は、もちろん当日もメガネもおさげもダメなわけで……はぁ


「じゃあ、ひめちゃん、これ、俺の番号だから。
登録しといてね。俺もう行かなきゃ」


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