眠りの森のシンデレラ




その後、なんとかしておひめ……ひめちゃんをダンスに誘うことが出来た。


たったそれだけの事なのに、物凄く嬉しい俺はきっともう、後戻りできないくらいひめちゃんに惚れている。

そんな事を全く知らないひめちゃんは、少し困った顔をしていて、笑って欲しくなる。



……あ"ぁぁぁ、俺、しっかりしろ


「じゃあ、ひめちゃん、これ、俺の番号だから
登録しといて」


そう言って携帯電話の電話番号を書いた紙を渡し、にやけそうになる顔を隠すため逃げるように図書館を出た。


……これは、拓也に自慢しねーとな。
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