眠りの森のシンデレラ


キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン

1日を終えるチャイムが響き、今日も図書館へ行く準備をする。


……あ、今日はお母さんと買い物へ行くんだった。


いつもなら図書館へまっすぐ行くが、今日は下駄箱へ進む。
途中で愛梨に一緒に帰れないというメールを打ち、下駄箱まであと数メートルという距離。
ここで話し声が聞こえた。


「なんか最近さ、瀬戸内さんの反応悪くない?
面白くないんだけど」

「あ、わかる~
なんか冷めてるよね」

「ねーほんと、うちらがシケてるみたいじゃん」



あのよく通るソプラノ声は、小野田さんたち。

……タイミング、悪いな


「てかあいつパーティ来るのかな」

「えー?
だってまず相手がいないでしょ」

「それもそうか、ぎゃははははっ」


……そういえば昨日、大神先輩に誘われたんだった。


結局断ることも出来ずに、一緒に行くことになってしまった。それに、なぜかひめちゃんなどと言う謎のあだ名までつけられてしまった。


……はぁ、本当憂鬱。

< 66 / 138 >

この作品をシェア

pagetop