眠りの森のシンデレラ
「うわぁ……」
体育館に行ってみると、いつもとは違うきらびやかな場所になっていた。
「私、場違いだ……」
「大丈夫、しばらくしたら慣れるよ
リラックスだよリラックス」
愛梨からアドバイスをもらうと同時に、私の携帯がなった。
「……もしもし」
『あ、もしもし?
俺だよ俺
俺なんだけどさ……』
「オレオレ詐欺なら結構です」
電話の相手は、先輩。
登録はしておいたものの、かけたことのない番号。
『あぁ!ごめん、切るなよ?
始まるまで時間あるし今大丈夫?』
「全然大丈夫じゃないですね
用はそれだけですか?
じゃ、切りますよ……って、あっ!」
私が電話を切ろうとすると愛梨に取り上げられてしまった。