眠りの森のシンデレラ


「あのっ」


中央で踊りだそうと私の腰に手を回した先輩に、小声で声をかける。


「ん?どうしたの?」

「その、すっごい今更なんですけど……

私、ダンスできません」

「え?」


私の言ったことに目が点になる先輩。


いやいや、一般人って普通そうだからね?


「もしかしてとは思ってたけど、ひめちゃんってやっぱりそっちの人?」


そっちの人……つまり、お金持ちじゃない一般人のこと。


「はい」

「まぁ、この学校多いからね

大丈夫、俺に捕まっとけばなんとかなるから」


自信たっぷりにそう告げる先輩。

……ほんとうに、大丈夫、かな?


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