眠りの森のシンデレラ



人の気も知らないで……

……いつかその余裕そうな顔ぶん殴ってやる


そう決意すると同時にゆっくりととまる先輩。


「へ?」

「曲、おわったよ
初めての割にはうまかったじゃん」

「……ありがとうございます」


頭を撫でながら言われても嬉しくない。

どうせ心の中では笑ってる癖に。


そう思って顔を上げてみると、ニヤニヤと笑いながら私を見る先輩。


「先輩、その顔キモイですよ」

「ひどいっ
言葉の暴力だ」

「あー、はいはい」


ひめちゃんが冷たい、とかなんとか文句を言いながら私の手を引いて輪の外にでる先輩。


どうやらもう踊る気は無いらしい。


よかった……

正直、もうクタクタ



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