お隣さんと内緒の恋話
雅の答えは よく考えれば 正確な答えを言わず回避しただけ。
腑に落ちない私がいるなら、もっと納得いかない二人がいる。
「 先生!答えになってませんっ 」
「 そうよ、先生ならちゃんと答えてください!」
そこまで言って知りたいの…
だって 雅くんは私にとって 先生なのに。
座っていた雅が席を立ち、私や二人が雅を見つめる。
「 帰る時間だぞ 」
逃げたな、雅くん。
「 先生!!」
「 付き合ってるんでしょ!言ってくださいっ 」
だからさ~ 違う…
私は反論しようと席を立ち 楓と美乃莉の前に立った。
が、何もないはずの床につまずいて転けた。
「 っ、わ!…いったぁ~ 」
痛ーいっ
「 なにしてんの、あんた…」
美乃莉の冷たい一言。
何もないところで転ぶわけがない、でも、私は確かに何かにつまずいた。
そのせいで、机の角で頭をぶつけてしまった。
「 大丈夫か、織原!あーあ、頭ぶつけたのか? 保健室行くぞ 」
痛い~……
「 先生!逃げるんですかっ」
しつこいなぁ そんなに好き? 雅くんが…
「 君らは帰りなさい。織原を保健室に連れてくから 」
痛た…
保健室よりも帰りたいよ、葵~
背中に無数の針が刺さるような視線を受けながら 私は雅に保健室へと連れていかれた。