お隣さんと内緒の恋話

雅の答えは よく考えれば 正確な答えを言わず回避しただけ。

腑に落ちない私がいるなら、もっと納得いかない二人がいる。


「 先生!答えになってませんっ 」

「 そうよ、先生ならちゃんと答えてください!」


そこまで言って知りたいの…

だって 雅くんは私にとって 先生なのに。


座っていた雅が席を立ち、私や二人が雅を見つめる。


「 帰る時間だぞ 」

逃げたな、雅くん。


「 先生!!」

「 付き合ってるんでしょ!言ってくださいっ 」


だからさ~ 違う…

私は反論しようと席を立ち 楓と美乃莉の前に立った。

が、何もないはずの床につまずいて転けた。


「 っ、わ!…いったぁ~ 」


痛ーいっ

「 なにしてんの、あんた…」


美乃莉の冷たい一言。

何もないところで転ぶわけがない、でも、私は確かに何かにつまずいた。

そのせいで、机の角で頭をぶつけてしまった。


「 大丈夫か、織原!あーあ、頭ぶつけたのか? 保健室行くぞ 」


痛い~……

「 先生!逃げるんですかっ」


しつこいなぁ そんなに好き? 雅くんが…


「 君らは帰りなさい。織原を保健室に連れてくから 」


痛た…

保健室よりも帰りたいよ、葵~


背中に無数の針が刺さるような視線を受けながら 私は雅に保健室へと連れていかれた。





< 112 / 419 >

この作品をシェア

pagetop