お隣さんと内緒の恋話

私のかばんを持ち、雅が保健室へと連れて行く。

私は ぶつけた頭を押さえながら雅と歩き、話しかけた。


「 先生、なんで はっきり違うって言わなかったの? 一言で あの二人は満足したと思う 」

「 言って解決するか?肯定も否定もしないよ、俺が言っても 噂が始まれば止まらないからな。
ま、そのうちわかるだろ 」


なんて のんきな…

女心わかってないよ、雅くんは。


保健室に入ると 保険医の先生が職員室へ行くところだった。


「 あら、上山先生 どうしました?」

「 織原が転けて頭をぶつけたんですよ、自分がやりますからいいですよ 」

「 そうですか、わかりました。織原さん、足元には注意するのよ?じゃ、上山先生 これ鍵です、お願いしますね 」


私は苦笑するしかなかったが、一部 訂正したかった。

保険医が退室し、私は椅子に腰かけ雅が消毒する準備をしていた。


「 先生…」

「 今は二人だから先生じゃなくていいよ 」


そうだけど、学校だよ?


「 さっき教室で私に足引っ掻けたでしょ!」

「 ええ!俺の長い足があたったのか?」


ふざけてる… わざとらし~


「 椿ちゃん、ブスッとしてないで前髪どかして、消毒するから 」

「 ブスッとしてないです!」


私はそこでブスッとし前髪を上げた。


「 丸いおでこだな~ 可愛いじゃん 」


「 可愛い!?嘘ばっかり」


こんなふうに保健室でいるなんて あの
二人が見たら… 怖っ

でも、葵じゃなくて雅くんに恋してたら 今の状況はたまんないんだろうなぁ…


「 椿ちゃんが俺に恋してたら もう キスしてるだろうな 」


え……



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