お隣さんと内緒の恋話

雅の言葉に私はドキッとした。

私が思う事と似ていたから。

この状況じゃ見つめ合うしかない。

視界に写る雅が近づいているのか 急にドキドキが増して私は とっさに俯いた。


今… 雅くん、私にキスしようとした? まさかね…


「 …椿ちゃん、消毒するだけだけど? 動くなよ、絆創膏貼るし 」


私はカァーッと赤面した。

明らかな勘違いに、恥ずかしくて さらに視線を下へ向け俯いた。


やだ、もう… そんなわけないのに、バカすぎるよ~


雅のイケメンさはイヤほどわかる。

ただ消毒するだけなのに、勝手にドキドキしてる自分に恥ずかしくなる。

消毒薬が染み込んだ綿が額にあたり傷に染みる。


う~… 我慢っ


「 椿ちゃん、葵のどんなとこが好き?」

「 なんですか急に… 」

「 俺の弟に恋した君は なぜ、俺には恋しないのか不思議に思ってさ 」


え… だって、雅くんは先生だから…


「 葵と俺の違いってなんだろうな 」


私に聞くの!? 雅くん 葵の兄貴じゃん…


「 雅くんはさ、大人だし、先生だし、それに女の子が常にそばにいるよね 」

「 椿ちゃん… それ事実だし、否定はしないけど なんかないの?」

「 …ない 」


なんて言ってほしいの?って、事実しか思い浮かばないんだけど。

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