お隣さんと内緒の恋話
葵と一緒に外へ出ると、なぜかいる雅と見知らぬ女。
あ…
両者の視線がバッチリ合うと、葵はすかさず私を後ろに隠した。
「 おはよ、椿ちゃん 」
さ、爽やか…
「 おはよう… 」
なぜ 爽やか? 朝イチでスッキリさんですか?
そうなのねっ
「 私、帰るわ。じゃあね、上山くん 」
上山くん? 知り合いなの?
「 ああ、また いつかな」
また会うんかい!
で、何すんのさーっ!
帰っていく女の後ろ姿を見ながら 雅が話す。
「 たまたま昔の同級生に会ったんだよ、で、ついな 」
つい!? ついで連れ込んじゃったわけ?
あり得ない…
雅くんの頭ん中どうなってんの?
「 葵、すまん。許せ、大人は何かと大変だ 」
大人のくせに、教師のくせに、謝り方がなってないよ。
ひたすら黙っている葵は私の手を繋ぎ、雅を無視して歩き出すが、目の前に 黒いバイクが現れた。
あれ、あのバイク 前にも見たような…
そのバイクはアクセルを吹かし一気に加速し向かってくる。
え…
「 椿っ 」
「 葵… きゃあっ!!」
葵は私の頭を抱えるように抱きしめ、バイクは横をすり抜けた。
「 葵! 大丈夫!!」
「 雅は… 兄貴っ 」
加速したバイクが急ブレーキをかけ、耳を突く音に 私目をギュッと閉じた。
雅くん…っ