お隣さんと内緒の恋話

雅と加寿也が互いに殴りあったところで、二人は なぜか笑あっていた。

私にはわからない二人の事。


幼なじみの二人を 葵はなぜ、過去形で言ったのか。

私は頭の片隅で気になっていた。


「 椿ちゃん おいで、紹介するよ 」


えっ!

「紹介するってさ。行くか 」


葵… いいの?

デートは?


私が葵と一緒に 雅と加寿也のそばに行くと、雅はニッコリ笑う。


「 椿ちゃん、こいつ、蓮見 加寿也。ガキん時から何かと一緒の悪友だよ 」


悪友… わかる気がする。

「 初めまして、君は~ 雅じゃなく葵の彼女?」


ちょ、当たり前!


「 そうです!葵の、彼女の 織原 椿って言います 」

「 椿ちゃん… 俺の彼女って言ってくれても構わないのに~」


雅くん! この自意識過剰め…


「 雅、その辺にしとけ。葵が睨んでるぞ 」


そうだよ、私は葵のなんだから!


私は葵の腕にしがみつき、離れずにいた。

加寿也は そんな私を見て クスッと笑う。


なに、今… 私見て笑った?

って、そんなことより!デートは!?


私は葵の袖をクイッと引っ張りデートを気づかせた。


「 そうだったな、雅、加寿也さん 俺たちデートだから また…」


やったぁ!


「 雅くん、またね…」

「 待て待て、俺を一人にすんじゃねぇよ。葵、待ってろ 」

「 は?」


え、どういう事…


「 椿ちゃんだっけ? デートは諦めた方がいいな、残念だけど 」

「 ええ…」


そんなぁ… なんでよ、雅くん!

初デートなのにぃ~



< 163 / 419 >

この作品をシェア

pagetop