お隣さんと内緒の恋話

楽しみにしていた葵とのデート。

まさか雅が邪魔をするとは思っても見なかった。

ショックのあまり 半分 放心してしまった。


「 お待たせ、さ、椿ちゃん 葵も車に乗って。湖にでも行こうか 」



はぁ!? 湖だぁ?

雅くんっ~……


「 俺は後ろからバイクで着いてくよ 」


そう言った加寿也を私はチラリと睨むように見ると、ヘルメットを被る加寿也の口には笑みが。

なぜ笑っていたのか、この時は何も気づかなかった。


「 椿、雅が言い出したら聞かないよ。今日は諦めよ… でも 俺は誰がいても椿と一緒ならいいよ 」


葵~ 私だってそうだよ?

でも、でもね… 二人っきりがいいのーっ!

いっぱい手繋いで 腕も組んで イチャラブにキスだってしたいのに~

雅くん恨む…



車に乗ると、雅はミラー越しに笑顔を見せてくるが、私は そっぽを向いた。

出発早々、コンビニに寄り ジュースやお菓子をたくさん買い込み改めて出発。


「 ほんとに湖に行くの?」

「 あ~ それは…」

「 行くよ~ 任せなさい!」


チッ… 雅くんには聞いてませんって!


「 椿、あーん して 」


え?

葵を見れば私の口元にある じゃがりこ棒。

私はバクッとかぶりついて ガジガジと噛み食べていく。

ん~頭の中がうるさいよ。


「 椿、ウサギみたいだな、ほら あーんして 」


ん? ありがと。

バリバリ響くんですけど~



バクッとかぶりついて…

葵をじっと見る。


私… 遊ばれてる?
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