お隣さんと内緒の恋話

目の前に、雅と加寿也のそばに立つ人は 確かに聖奈。

葵と顔を見合わせる私は何がなんだかわからないでいた。

急に雅が車に戻ってきて乗り込む。

見れば 加寿也と聖奈もバイク、車に乗り込み発進していく。



「 悪いね、二人とも。湖は延期、ちょっと場所変えるからさ… 」


えっ、私たちも一緒に行くの?


「 どこ行くんだよ 」

「 高速道路下に大きい公園があるから、そこにね。道の駅もあるし、てんとう虫電車も乗れるよ 」


へぇ~ って、子供じゃないし!

公園なら 葵とデートできるかな。

ほんとのデート…


30分ほど走り、緑が一面に広がる大きな公園に着くと、不思議とテンションが上がる。

見た感じ 特に目立った物はなく、駐車場から公園内に入ると、やっぱり 芝生の広がる公園だった。

あちこちに見えるベンチ、お店、そしてお土産も地産品に食事処がある。

そして見れば てんとう虫の電車が走っていた。


のどかだぁ…

ほのぼのだぁ…

空気が違う気がする~


そして私はなぜか ウズウズしていた。


広いなぁ…

ん~… ガマン出来ないっ


「 雅くん、私と葵はお店とか見てくるから!葵、行くよ!」

「 え、椿? 待てっ 」


ダッシュして走る私はきっと自分に酔っていたんだと思う。

緑が広がる一面を前にしたら 走りたくなった。


「 椿!待てって、椿!」

「 っわ! ハァ… 葵、急に、ごめ… なんか 走りたくなったの… 」


気持ちい~…

空気がひんやりして 気持ちいよ。


「 椿、飲みもん買ってくるから そこのベンチにいて 」


頷いた私は ベンチまで歩き座る。

息切れを整えながら空を見上げ目をつむる。


いいなぁ、こういうの…

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