お隣さんと内緒の恋話
私の手にある風船で出来た薔薇。
これこそサプライズって感じ?
「 嬉しそうだな 」
「 嬉しいよ~ めったにもらえないじゃん 」
「 俺 普通のなら出来るな 」
ん~ 膨らますだけだしね。
もしかして 対抗してる?
これはバルーンアートだもん、誰にでもじゃないよね…
「 葵、普通の今度作ってよ 」
どうせなら割れない風船がいいな。
葵と二人歩き出すと、葵の携帯が鳴った。
雅くんかな?
「 …なんだよ、椿ならいる。フードコート?」
えっ?フードコート… そこはダメ!
私は葵に向かって 小声で ダメだと伝えた。
なぜなら まだ 葉山がいるはずだから。
「 フードコートはもう行ったし、クラスの奴がいたから無理だ。……2階にあるカフェ?わかった 」
「 雅くんでしょ? 」
「 ああ、とりあえず 行くか 」
そういえば 雅くん、ずっと何してたんだろ?
雅に指定されたカフェの店に行くと、店先で雅が待っていた。
「 葵、椿ちゃん!久しぶり 」
は?
「 久しぶりじゃねぇし!」
うん、ごもっとも。
なんで久しぶりなわけ?
「 二人とも つれないなぁ… ここは 偶然会いました作戦だろ~ 」
意味わかんないわぁ…
一緒に来て偶然はないでしょ、無理がありすぎる。