お隣さんと内緒の恋話
葛西が真ん前に座っているにも関わらず、私は葵と二人だけの会話をしていたところに 葛西か割って入った。
「 バカップルって ひどくない?」
彼氏と楽しく話してただけじゃん。
「 バカップル意外の言葉がないな。で、お前… 上山ダサ男だろ?」
ほんと 玲音と同じ…
すごいムカつく…
「 あのねぇ!」
「 俺が彼氏じゃおかしいか?」
葵…
「 おかしいわけないでしょ、何言っ…」
「 椿、いいから 」
葵が彼氏で 私は嬉しいのに、葵が自分でそんな風に言わないで…
「 意外だな、織原とダサ男が付き合ってるとは。織原に遊ばれてんじゃないか?」
なっ!!
私はカチンっときて体が前のめりになると、葵が私のお腹回りに腕を出して 文句を言うのを止めた。
葵… なんで、悔しいよ、私!
「 遊ばれてないし、葛西には椿の良さがわからないんだろうな 」
あ、ら… 私の良さって?
葵~ それ ぜひ聞きたいわ。
「 織原の良さがどうでも、俺には関係ないし。お前らがマジで付き合ってんなら、昨日のは何だよ、説明してみろよ 織原 」
昨日のって、あれ葵だから。
「 昨日 夜 一緒にいたの 俺だけど?」
よく言った、葵!
「 いや、違うね。あれはどう見ても上山先生だった 」
はぁ~…
私はため息ついた。
玲音に説明しても最後まで信じなかった事を思いだし、胸が苦しくなった。
私が好きで 付き合ってるのは葵なのに…
「 葛西くん、聞いて。葵は、上山先生の弟で、私の彼氏。だから間違えても仕方ないと思う… でも、昨日一緒にいたのは マジで葵だから 」
私は真剣に 落ち着いて話をした。
でも、葛西の口から出た言葉は 期待とは正反対だった。
「 カモフラージュ… なんじゃねぇの?兄弟だから 出来るよな?先生の兄貴を庇うため… とかな 」
私は葛西に静かな怒りを感じながら見つめた。