お隣さんと内緒の恋話

聞けと言われれば聞きます。

雅の話は おおよその想像はつく。

きっと葵を怒らせたに違いない。



「 実はな… 友達の中でも一番の美人さんが会いたいって来る予定だったのに…
電話してるとこを葵に聞かれて、パアだよ、パア!」


あ~… 何とも言えないわ。

友達って 女だし、よからぬ事をしようとしたわけだし?

葵が正解ね。


「 雅くん… 今までの行い振り返ればわかるけど まだバイ菌 体にあるじゃん、ダメに決まってる 」

「 バイ菌って… 抗生剤が効いてるから移らないよ 」


嘘つき~


「 飛沫感染するんだし、唾液感染もアリでしょ?ダメ~」

「上山先生、諦めたら?」


柚奈の言う通り。

雅は 目を細くして 私と柚奈を遠目に見てくる。

その変な眼差しに 負けじと同じように見る。

柚奈は退屈に感じたのか テレビ台にある引き出しを開けて DVD を探りデッキに入れようとする。


「 先生!この何にも書いてないDVD何~?見てもいい?」


DVD… 柚奈 勝手に~


柚奈が手にしているDVDを雅が2度見して私の前から サッと消える。


「 玉木!! 入れるなーっ 」

「 え、もう入れちゃっ… …たっ!? きゃあっ 」

「 ぎゃあっ!? 」


な… なな… な、に…


「 今の 何ーっ!!」


まさか現実とは思えない画像が、未成年の私と柚奈の真ん前の画面いっぱいに映し出された。


「 だー!入れんなっての!またったく加寿也の野郎だな、参るよっ ははは~ 」


怪しいっ…


柚奈は目がチカチカしたのか目をギュウッと思いきり閉じて テレビ画面から顔を背けた。


「 椿~ 上山先生が… 頭おかしいっ 変態!」

「 へ、変態っ こら、 玉木!!」

「 わかる、わかるよ 柚奈… それ以上 言わなくていいから。こっち来て、バイ菌ついちゃう 」

「 椿ちゃん!?バイ菌言うなよ~ これは 違うんだって~ 」



バカタレめっ

葵にバラしてやる!

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