お隣さんと内緒の恋話

雅を抜きにしてケーキを味わった私たちは ただ会話していた。


「 ねぇ、私も先生のこと 雅くんって呼ぼうかな~」

え、何…


「 なんでまた?」

急にそんなこと…


「 だってさぁ 学校と違いすぎるし、あんな先生見ちゃうとねぇ… 名前呼びのが合ってる 」

そういうもん?


何を思ったのか柚奈が雅を先生と呼ぶのではなく、名前で呼びたいと言い出した。

どうぞ とも私からは言えず、葵は それに対して返事はしない。


「 椿はどう思う?」

「 えっ 私!? どうって言われてもなぁ… 」


私の場合は 雅くんが呼べって うるさいから…


「 私 先生に聞いてくる!」


えっ ほんとに?

言いながら立って雅の部屋に行ってしまった柚奈、私は 葵を見る。


「 葵~ 柚奈がおかしい 」

「 どう おかしいんだ?」


そう言われるとさぁ 困るよ…


「 柚奈さ、加寿也さんに 熱あげてたって言うか… 恋し始め?だったけど 見込みないから諦めて、次は圭都に一目惚れって言っておきながら 勘違いかもって やめて… 」

「 次は雅か?」


聞かれると、困惑してしまう。

壮真と別れてから 恋に対しての感情が 変に揺らいでいる柚奈。

恋をしなきゃと焦っているように。



「 心配すんな、椿。雅は… 兄貴は 玉木を恋愛対象には見ないし、ないよ、俺が保証する 」


葵…

「 どんな保証? 葵が言い切れるなら 大丈夫かな 」

「 …ああ、絶対にないよ、絶対に 」


ん? なんか強調して言ってる?


葵が言い切るには何か意味があるのかと 一瞬思うが 葵が私に笑みを見せて 安心しろと念を押されてるようだった。

柚奈が雅くんをなんて、ないよね。


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