お隣さんと内緒の恋話
私も 焼きそばの麺だけじゃなくて ソース付きの買えば 私でも出来るんだ!
「 柚奈、あんた最高だね!」
「 まぁまぁ まだ早いよ、食べてなから言ってくれるかしら? で、椿 ご飯は炊けた?」
「 はいはい、もちろー… んん? おや?」
「 椿… まさか、あんた まさかだよねぇ?」
んふ。やっちまいました!
あろうことか、お米を研いだものの、炊飯器のスイッチをいれ忘れていた。
もはや 笑顔でごまかすしかない。
「 あは。ごめーんね?」
「 …信じらんない。もう、じゃあさ 炊けるまで サラダは買ってきたから 先に食べようよ 」
「 はい、すんません… 」
柚奈が呆れるのも仕方ないが、ご飯が炊けるのは早炊きしても30分はかかる。
先にキムチ焼きそばと買ってきたサラダを先に食べることになった。
キムチ焼きそばを食べる時、初めて食べるため 多少 躊躇したが、一口食べれば辛味より先に甘味がきて、飲み込むと ピリッとキムチの辛味が口の中に旨味と一緒に広がる。
「 ん…はぁ~ 辛うまっ!!柚奈、ヤバいこれ、おいひっ 」
「 はひ、辛っ うんま!ね、キムチいいね、パパが食べるのわかる~ 」
ほんと おいしーっ
これだと おばぁちゃん作らないだろうから、私が葵に作ってあげたいなぁ
「 今度、あたしが葵に作ってあげたいわぁ!
…って、考えてたでしょ? 顔がニヤニヤしてるから わかるよ 」
あれ…
「 ニヤニヤはしてないよっ 」
はいはい、と言ってキムチ焼きそばを黙々と食べる柚奈。
私は柚奈の言う通り、葵に作ってあげたいと思う。
そして、雅にも作ってあげたいと。
それで仲直り出来るなら。
「 ねぇ 椿、私 買い物行ってる間 考えてたの… 壮真の事。私、壮真を奪い返したい… 」
え……
また、何を… 壮真を奪い返す?