お隣さんと内緒の恋話
雅に いちいち腹を立てながら摘まみ食いはせず、帰るために立体駐車場へと向かう。
「 知り合いに会わなかったね 」
「 そんなもんだろ 」
前は葵もいて 玲音と会ったよね…
あれから大変だったけど、今は平和だなぁ。
問題は柚奈が壮真とヨリ戻ったはいいけど、加純さんがちょっと…
どうなるかなぁ…
「 椿ちゃん、車 こっち!」
あ、反対だった…
「 ごめん、考え事してた~」
「 俺が呼び止めなかったら どこまで行っただろうね、見たかったな~ ドジッぷり 」
おバカ!
「 はいはい、そんなんいいから帰ろ 」
笑う雅に 苦笑すら出来ない私は助手席に乗った。
シートベルトをして雅が車を発進させる。
「 6時過ぎたか、寝てていいよ 」
「 寝ないよ~ 」
お子ちゃまじゃないから。
デパートを出ると外は真っ暗で 天気は良かったため空には月が見える。
「 椿ちゃん、見て 満月 」
満月?
「 ほんと、キレイ… 雅くん願い事は?」
「 オオカミになりたいね 」
は?
なぜに……
「 変身願望なわけ? オオカミなんて 」
「 なりたいねぇ せっかくだから 」
え… なりたいの?