お隣さんと内緒の恋話

息を切らして学校に着いて教室に入った。


「 椿、セーフ!」

「 柚… はあ~ 走ったぁ… 」



ふいに葵を見るといない。


あれ、葵まだ? 遅刻?


まだ来ていない葵を気にしていると、他の教室あたりからざわめきが聞こえてきて 教室内もざわつき出す。


なに…


「 椿、ねぇ 騒がしくない?」

「 うん… なんだろね 」


雅くんかイケメン度をアップさせて来てるとか?

でも、女子がうるさい?


「 椿、椿!上山先生がっ… 」

「 香伊羅… 雅くんが何?」



ざわつく中でクラスの女子が覗いて 振り向くと 大声で言った。


「 上山先生とイケメンが来たーっ!」


えっ!? イケメン…


柚奈と香伊羅と顔を互いに見合わせていると、教室の戸が開き、雅が先に入ってきた。


あ、やっぱり雅くん… と?

え… えっ!



「 ちょっと、椿!」


わかってる、わかってるよ…


誰だ、誰だとクラス内で囁き合う中、雅が教卓に立つと もう一人はスタスタ歩き席についた。


うそ… どうしてよ…


とたんに 違うざわめきが立った。

さらには雅と似ているため女子たちは目が泳ぐ。


「 おいおい、上山が座っただけだぞ~ 静かにしろよ~」


静かになんて もう無理…

だって、葵が…


ダサ男ではなくなっていたから。

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