お隣さんと内緒の恋話
葵が、まさか雅と似た顔でいて、ダサ男の面影なく現れたら パニックになるのはわかる。
授業が始まっても、葵に視線が集まる。
休み時間になれば どこからともなく女子が葵を見に来る。
葵は普段通り必要以上動かず 完全に無視、私は近づけず 心配する柚奈や香伊羅、壮真が私の席を囲う。
何がなんだか…
葵、どうして?
お昼休み、私は柚奈と香伊羅に誘われて食堂にいた。
みんなの話が耳に入らないまま、柚奈と香伊羅といた席から離れる。
私は何とも言えない複雑な気持ちのまま、図書室に来た。
今日、葵と会う約束だったけど…
きっと来れないだろうなぁ
葵とキスをした奥の棚に行き、一人座る。
会いたいなぁ…
葵に、いつもの葵に…
「 …椿、見つけた 」
「 葵… 」
「 玉木達と教室出てったのはわかったけど、やっぱ ここだったな… 」
探してたの?
葵に聞きたいと思った。
なぜ急にダサ男じゃない容姿にして登校してきたのか。
髪は短く、クセがうまく生かされている。
眼鏡もなく、コンタクト。
知っている葵の素顔が目の前に…
「 葵、どうしちゃったの?」
「 どうもしてない。椿は どうした?」