お隣さんと内緒の恋話
キス? 今しろと? 私から?
「 ほんとにするの… 」
「 俺が言ったらしろって、忘れた? 」
忘れてはないよ、でも…
昼の図書室っていっぱいいるんだもん!
「 独り占め、したくないの? 椿 」
ううっ したいに決まってるけど~
いざ言われるとさぁ 困るよ…
しかも、イケメン葵じゃ よけいに困るよ~
「 …遅い、椿 」
え…
こういう葵のキス…好き。
待ってくれるのに、待たない葵のキス。
どんな葵も私の葵。
好きすぎて… どうしよう。
「 椿、よそ見すんなよ?」
「 え… それ、そっくりそのまま返すけど?」
イケメンなんかになっちゃって、これから私の肝が縮むじゃん。
「 返されても 俺は椿しか見てないし 」
どうする、私…
葵が私に惚れすぎてません?
なんだか 照れを越えて自意識過剰になっちゃいそうだよ。
図書室から出ると、女子の好奇な視線が集まる。
でも、葵は私の手を繋ぐ。
ドキドキする気持ちを抑えて、私は堂々と葵の隣にいた。