お隣さんと内緒の恋話
「 あ、このパン好き!」
葵にもらった緑茶とクロワッサンの生クリーム入りをかじる。
ん~ どっちも濃いパンだけど甘いの歓迎!
「 おいし~ 」
「 ふ… 椿のがうまそうだ 」
え…?
言われて下を向くと 葵と見つめあってしまう。
「 クリーム、つけすぎ 」
クリーム!? マジで!やだ、恥ずかしすぎっ
指で取ろうとしたが、葵の指が先にクリームを拭い取って舐める。
ひゃ~!!
舐めた、舐めたぁ!
私の口についたクリーム舐めた~
バクバクと心音が暴れてるのがわかる。
恥ずかしいけど、嬉しいけど…ドキドキして やっぱ照れるっ
ふいに葵が頭を起こし、まさかキスを?なんて一瞬よぎるが、それは現実になった。
「 椿… 」
葵… 漫画的なお約束なキス…
大歓迎です、はい。
チャイムが鳴り出し、私は緑茶片手に葵と図書室を出た。
教室に戻ると、私の顔を じっとり みんなが見る。
なに、この粘っこい視線は…
そんな時、雅が教室に入ってきた。
「 はい、みんな座れよ~ 先生の得意な国語だぞ~ しかも抜き打ちテスト!さぁ かんばれよ~ 」
げっ、なんでテスト!?
そんな事よりも、いつまでも粘りつくような視線を感じながら テストが始まった。
視線は女子から。
ポケットにある携帯がブルッと震える。
あ、どうしよ…
それより、このテスト なんか簡単なんだけど。
雅が背を向けた時、私はすかさず携帯を見た。
え……
なに、嘘でしょ…
携帯は笑里から。
内容は、私が雅と図書室で密会していたと言うものだった。