お隣さんと内緒の恋話
聖奈が雅に何かを言うのを遮る雅。
雅の顔に笑みはなく、私は 二人の間に何があったのかと困惑した。
私は葵の服の袖を摘まみ、揺すった。
「 葵、葵、この二人ってなんかあったの?」
「 ああ… とりあえず部屋に行こ 」
葵は 私の手を取り部屋に行くと言うが、私は少し戸惑った。
聖奈を見ない雅に、今にも泣きそうな聖奈…
何も言えないまま 私は葵の部屋に入った。
「 椿… マジで悪かった、彼女を置いてくなんてバカだった。雅になんもされなかった?」
葵…
私の顔を両手で包み 見つめながら無事か確かめる葵。
「 何にも… 私を置いてくからだよ。それに私 怒ってるんだから 」
「 なんで?雅には一発…」
「 違う!葵が、私より… 聖奈さんばかり見て、聖奈さんと二人で買い物行って、しかも楽しそうだった!」
私に振り返りもしなかったもん。
ムカつくよ!
「 ヤキモチ…」
「 なっ!? 妬いてなんかっ… 」
顔 返してよ! 離してよ~
「 ヤキモチだろ? 俺は 椿を見てるよ、いつもな 」
バカ!!
ダサ男のままで 甘い事を言って、優しいキスをする奴。
なんでかな、やられた気分…
ムカついてたのに どっかいっちゃった。
単細胞すぎる私は 甘いキスに酔って 葵の背に腕を回した。
葵~ 好き…