アサガオを君へ
1学期

クラス替え

見慣れた玄関先で、私はボーッと張り出された紙を見つめていた。


みんな自分のクラスが気になるらしく、私の背中をドンドン押してくる。


邪魔なんだろうなっと思いつつも足が動かない。


目の前の紙から目が離せない。


そんなとき、ガシッと腕を掴まれた。


「ココ!何やってんの!?」


長い髪を頭の上でポニーテールにした、身長の高い女の子が息を荒げている。


どうやら私が見えて走ってきたらしい。


私はとりあえずニコッと笑って見せて言った。


「ノンちゃん、一緒のクラスだよ」


「え!?本当!?やったね!!…って違う!クラス発表の紙を見たなら早くどかないと、邪魔じゃん!!」


そう言って私の手を掴んだまま、靴箱まで連れて行かれた。


私たちは靴をのけて、上履きをはきながら話す。


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