アサガオを君へ
「それでいいよ。理解されたら困る」


理解しないで。


私は夏樹のことを誰よりも理解して欲しいと願いながら、誰にも理解して欲しくない。


夏樹には私で十分。


別に友達が必要ないって言ってるわけじゃない。


ただ私みたいな人間が他にいたら、そいつから夏樹を守れないから。


それに私が特別じゃなくなる。


私には夏樹のことを想うこと以外、夏樹の特別…親友でいられる理由が見つからない。


夏樹のことをこんなに思えるのは私だけだって思ってる。


私のことは私が一番分かってる。


夏樹のためなら私は、私という存在が消えてもいい。


むしろ、それで夏樹と1つになれるって言われたら、私は自ら消える。


それが、19歳までしか生きれなくても。


夏樹と共に人生を終われるなら、それは本望。


でも、私たちはそんな運命じゃない。
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