アサガオを君へ
そう呟いたノンちゃんを振り返る。


ビックリ。


あんなに夏樹のことを毛嫌いしてたのに。


ノンちゃんは私の方を見て言った。


「いつもいつも面倒事になるとココに任せっきり。病気を言い訳にして楽してるだけじゃんって思ってた」


私は何も言わずにノンちゃんを見つめた。


ギュッと夏樹にかけた膝かけの端を握りしめる。


「ココが宮野くんをどれだけ思っても大切にしても、それの半分もココには、返ってこないじゃん。それなのに宮野くんをいつも気にかけてるココに正直イラッとしたこともある」


うん、そうだよね。


私はノンちゃんと遊んでいても、夏樹が熱を出したりすると、どんなに遠くてもすぐに帰ったりした。


ノンちゃんとの約束が守れないことだって度々あった。


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