アサガオを君へ

2人の過ち

私は壁に飾られた時計をチラッと見ながら、買ったばかりの本を読む。


時計の針は8時半をさしいて、そわそわと落ち着かない。


さっきから本のページは全く変わらず、少し読んでは集中できずに時計を見て、また同じところを読むの繰り返し。


遅い。


遅すぎる。


私は夏樹が帰った後に植木鉢を邪魔にならないところに移動させて、叔父さんの家に帰ってきた。



お父さんの単身赴任にお母さんがついて行ったために、私は高校生になってから叔父さんと2人で暮らしている。


もともとは祖父母の家だったのを祖父母が死んだときに、この家と祖父母の開いていた銭湯を叔父さんが相続した。



今時、銭湯とか生活していけるのかなっと思ってたけど、このあたりは学生マンションやら大きな合宿場が集中してあるために、今のところ潰れる心配は全くなさそうだ。
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