アサガオを君へ
私は叔父さんの頬に手を伸ばした。


指先で触れた叔父さんの肌は、不健康なくせにツルツルだった。


私はやんわりと掴んだ。


「私も、叔父さんみたいに綺麗だったら良かったのに」


そうしたら、私の涙で夏樹の気持ちを揺らがせれたかもなのに。


私なんかが泣いたところで、夏樹の気持ちは変わらない。


どんどん、離れていっちゃう。


叔父さんは私の髪をポニーテールにして、私の頬をキュッと掴んだ。


「ハチマキが青でよかったな。青は、お前が一番綺麗になる色だよ」


ちゃらくて、嘘がつくのが上手くて、放浪癖で、女の子が大好きで、年甲斐の無い叔父さん。


実はそんな叔父さんのことを、私は結構嫌いじゃ無い。


「青が似合うって言ってくれるのは、叔父さんと夏樹だけだよ」


叔父さんと夏樹は、とてもそっくり。


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