アサガオを君へ
「お前らの綺麗なところはさぁ。どんなに気まずくなっていても、お互いが今を大切にするために、絶対に避けたりしないところだよ」


「…行ってきます」


私はグッとドアを開いた。


ありがとう叔父さん。


ドアの向こうには案の定、無表情の夏樹がいた。


叔父さんのおかげで、私たちがおかしくないって心から思えるよ。


私は笑って言った。


「おはよう、夏樹」


「ん」


夏樹も、少しだけ安心したように私に応えた。


そうこれが私たち。


私たちには、喧嘩して気まずくなるなんて選択肢は無い。


そんな時間は無駄だから。


私は歩きながら言った。


「学校、早く行こう」


私たちは今を一緒にいるだけで精一杯。
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