アサガオを君へ
一緒に登校しなくなって、何年も経ってるのにおかしいな。


私は横を歩く夏樹を見上げた。


違和感なんて全く無いし、むしろずっと一緒に登校してたみたいだ。


校門付近になると、ちらほらとクラスメイトの顔もある。


その中に橋本さんがいた。


あのとき以来、橋本さんは私に何もしてこなくなったし、夏樹にも近付いてない。


ただ、夏樹のことを諦めてないことはなんとなく分かる。


一緒に歩いている私たちを、友達の輪の中心から見つめている。


橋本さんは夏樹をジッと見つめると、視線を逸らした。


橋本さんは、そのまま校舎の中に入って行ってしまった。
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