アサガオを君へ
私はその後ろ姿を眺めていると、後ろからドスンと肩に重みがかかった。


「おはよ、心!」


「うわ!」


いきなりの重みに耐えきれず、思わず前のめりになる。


そんな私が面白かったのか、後ろからケタケタと笑い声が聞こえる。


私は後ろを睨みつけながら言った。


「痛い。何よ、栄治」


後ろにはニッコニッコの栄治がいた。


「俺、最後のリレーに出るんだ!しかもアンカー!」


私のイライラも知らないで、ニコニコと話す栄治に思わず私も笑ってしまった。


弟みたいに一緒に育った栄治は、大きくなっても根は変わってない。


私は後ろの栄治の頭に手を伸ばして、ガシガシっと栄治の整えた髪を崩すように撫でた。


「すごいすごい!普通は3年がアンカーなのに!相変わらず運動得意なんだね」
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