アサガオを君へ
栄治は私にされるがままで、笑いながらピースした。


ふと、隣を見ると、そこにいたはずの夏樹がいなかった。


「あれ!?」


私はパッと栄治から手を離して、キョロキョロと周りを見渡す。


すると、はるか向こうにスタスタと歩く夏樹の後ろ姿が見えた。


お、おいて行かれた。


まぁ、ここまで来たのも久しぶりだし。


マイペースなのはいつものことだもんね。


さっきの橋本さんと同じように、夏樹の後ろ姿を見つめる。


そんな私に栄治は面白くなさそうに言った。


「兄貴、別に運動会来る必要ないじゃん。どうせ運動できないし」


「馬鹿なこと言わないでよ。できようができまいが、学校行事には参加しなくちゃ内申下がるの」
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