アサガオを君へ
私は毎日、その銭湯にお風呂に入りに行っている。


なぜかというと、私が叔父さんと暮らし始めてすぐに家のお風呂が壊れたからだ。


いまだにそのお風呂をなおす気はないらしい。


私は読書をやめてお風呂セットを手にとって玄関に向かう。


そして履きなれたサンダルをはいて、ガラッとドアを開けると夏樹が立っていた。


「「………」」


お互いビックリして固まってしまった。


私は一気に高まった鼓動を落ち着けて口を開いた。


「な、何やってんの」



「いや、いつも通り迎えに来て、ピンポン押そうと思ったら心が出てきた」


「夏樹いつまでたってもこないから先に行こうと思って…」


そこまで言って、夏樹の頭に目がいった。


不自然にはねた髪の毛を見てため息をついてた。


「寝てたわけね」


夏樹はガシガシっと頭をかいて、フッと笑った。
< 16 / 224 >

この作品をシェア

pagetop