アサガオを君へ
そこまで考えて、私はやめた。


私は細かいことを考え過ぎなのかもしれない。


夏樹が私を優先してくれて、素直に喜べばいいのに。


夏樹の行動に理由が無いことは明白なのに、私は理由を探してしまう。


私の悪い癖だ。


ギュッと目をつむってから、目を開けた。


そうすると、何だか新しい気分で物事が見えてくる気がした。


私は夏樹に話しかけた。


「海外に何しに行くの?」


すると夏樹は少し間をあけたあと、真っ直ぐ前を向いたまま言った。


「絵を見たり、写真撮りに行きたい」


何だか、とても夏樹らしい答えだと思った。


夏樹は絵も写真も、すごく好きだから。
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