アサガオを君へ
本当は早く出たいけど夏樹は必ず30分以上はお風呂に入る。


このまま出てしまうと、あの叔父さんの相手を一人で20分はしなくちゃいけない。


そんなのは絶対に回避したいから湯船に浸かる。


ポカポカと身体が温かくなって、目をつむった。


夏樹。


夏樹、夏樹、夏樹。


私の頭の中はいつも夏樹でいっぱいで、私の生活はいつも夏樹中心で。


きっと私の心臓は夏樹が動かしている。


夏樹無しじゃあ生きていけない。


夏樹がいない日常なんて考えられない。


親同士が仲良くて、いつも一緒だった。


幼稚園も小学校も中学校も高校も。


でも私たちは高校を卒業と同時に離れなくちゃならない。

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