アサガオを君へ
次に目を開けたときにはアッキーが呼んできたお医者さんに、夏樹から引き剥がされたときだった。


そして夏樹は連れていかれちゃった。


病院の奥に。


私はどうすることもできず、ただ呆然とアッキーに腕を掴まれて立ち尽くしていた。


アッキーは私に何も言わず、ただ病院の中に連れて行き、病室の前のソファーに座らされた。


そしてアッキーも無言で私の横に座った。


頭の中は真っ白で、ただ夏樹のことだけを考えていた。


どれくらい経ったかも、わからなくなったとき。


アッキーが言った。


「手、洗ってこいや」


私はゆっくりと視線をアッキーに向けた後。


自分の手を見た。
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