アサガオを君へ
アッキーは姿勢を正して、私をしっかり見て言った。


「死ぬ。ココには伝わってないかもしれへんけど、俺は夏樹のことをお前と同じくらい大切に思ってる」


私は思わず笑ってしまった。


私と一緒?


やめてよ。


私はそんなんじゃない。


私は……。


「私は、絶対に夏樹の代わりになんて死なないよ。…絶対」


アッキーみたいに綺麗じゃない。


夏樹の代わりに死のうなんて思えない。


「私はアッキーと一緒なんかじゃないよ。…私は、夏樹が生きるために誰かが死ぬ必要があるなら、他の誰かが死ねばいいと思う」


私じゃない誰か。


それなら誰だっていい。


「正直、アッキーでもヨウチンでもノンちゃんでも良い。私と夏樹じゃない誰かが死ねばいい」


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