アサガオを君へ
痛いほど知ってる。


どれだけ辛くて悲しいか。


残される立場がどれだけ痛いか。


18年間ずっと夏樹の隣で、残される立場を演じてきた。。


私たちは正反対だ。


残す立場と、残される立場。


高校を卒業して夏樹は、私の見えないどこかに行ってしまう。


そして私は実感もないまま残される立場を全うする。


それならいっそ。


私の眼の前で、私たちの立場を演じ切りたかった。


終わらせたかった。


そうするのも有りだなっと思った。


そんな考えが、夏樹が倒れて運ぼうとして、夏樹を背負ったまま転けたと後。


私をあの場にとどめさせた。


あのまま私の腕の中で夏樹の心臓が止まってくれたら、どれだけ私が楽だったか。


あのときの私が、私は許せない。


自分可愛さに、楽なことを選ぼうとしてしまった。


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