アサガオを君へ

エレベーター

私は閉まりかけたエレベーターに滑り込むように乗り込んだ。


エレベーターの中は私1人で、子供が間違ってボタンでも押したんだろう。


私はポチッと三階のボタンを押して、息を吐く。


エレベーターがゆっくりと上がるのが待ちきれなくて、私は自然と足踏みをしてしまう。


そしてエレベーターが開いたとき、今までの足踏みが嘘だったみたいに、深呼吸をして一歩を踏み出した。


「あ、花野さん、こんにちは」


可愛い看護師さんが私に気付いて微笑んでくれた。


綺麗なストレートの髪を後ろできちんと束ねた、とても可愛い看護師さんの小野さんだ。


私はニコッと笑った。


「小野さん、こんにちは」


小野さんは嬉しそうにニコニコと笑いながら私に近寄ってくる。


「花野さんが来てくれると、気分も上がっちゃう。また後で病室に行くね」


そして、ひらひらと手を振ると急いで書類をどこかに持って行った。
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