アサガオを君へ
暗いところにいるたびに期待してる。


今度こそ、私を助けてくれるのは夏樹だって。


そうなら良いなって。


ずっとそれが恥ずかしいことだと思ってた。


重いと思ってた。


だから、期待なんてしないように頑張った。


言いたいことがあっても、どうせ伝わらないからって諦めてた。


でも、でも。


「アッキー…。私、期待しても良いのかな?気持ち悪くない?ダルくない?嫌じゃない?」


「阿呆か!そっちの方が何千倍もええわ」


そう言うなら、もう期待することが恥ずかしいなんて思わないよ。


アッキーは私を抱きしめていた手をゆっくりと離した。


そのとき。


真っ暗だったエレベーターが明るくなった。
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