アサガオを君へ
それが本人にとっては心無い言葉じゃなかったとしても、この世界にいる限り通用しない。


通用するのは私たちの世界でだけ。


だから私たちは学校では二人きりのとき以外は、あまり話さない。


息がしづらいから。


まるで話している間、ずっと監視されているみたい。


私はフッと笑って言った。


「別に辛くないよ。あれはちょっと私が失敗しただけ。それに理解してくれる人がいてくれるから、全然大丈夫」


「……絶対に橋本はお前にギャーギャー言ってくるぞ」


「いいよ、別に。私にはノンちゃんがいるし。橋本さんとはもともと友達だったわけじゃないから」

私がピースして笑うと、夏樹もようやく笑ってくれた。
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