アサガオを君へ
私は教室のドアを静かに開けて、口を尖らす。


「ほっといてよー!別に知らせたっていいじゃない!」



送信ボタンを押した私を見て、ノンちゃんは呆れたようにため息をついた。


黒板には窓側の後ろの席の前後に、私とノンちゃんの名前が書いてあった。


私の名前が『花野心』で、ノンちゃんの名前が『日浦望美』だから、出席番号がいつも近い。


私が荷物を机の横に置き椅子に座ると、ノンちゃんも私の後ろに座った。


私は、多分こないであろうメールの返信を少し期待して待った。


私から夏樹にメールを送っても、基本返信はこない。



だから私たちのメールは、いつも夏樹から始まって私で終わる。


ノンちゃんにはRINEを使えばいいのにって言われるけど、私はメールの方が好き。


RINEは既読がつくのがいや。


既読がついたのに返事が返ってこなかったら、すごくもやもやするから。


それに、メールの方が読み返しやすくて良い。


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