アサガオを君へ
私はため息をついて配られた資料にとりあえず視線を移した。


料理係2名、レクレーション係2名、班長1名をそれぞれ決めて紙に名前を書いて提出か。


交流遠足と言っても、コテージを貸し切って自分たちで昼ごはん作って食べた後に、自由時間があって帰るだけらしい。


まあ、妥当に考えて、私とノンちゃんが料理係でレクレーション係が夏樹と大阪弁くん。


長身くんが班長って案が一番良いと思うな。


私一人で考え込んでいると夏樹が私机をトントンっと叩いた。


バッと前を向くと、無表情で言った。


「クッキー」



「え、いま?」


私が少し驚いて聞くと、コクッと頷いた。


私はその手に、通常サイズよりも少し大きなラッピング袋に大量に入れたクッキーを置いた。


そして夏樹は何の躊躇もなく、その場で黙々とクッキーを食べ始めた。
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