アサガオを君へ
私はあんぐりと口を開けたまま、しばらく秋山くんを見つめた。


な、なにそれ。


初めてこんな人見た。


こんなに頭が悪い人に私は出会ったことがない。


ノンちゃんは、あきれて言葉も出ないらしい。


そんな私たちの微妙な空気を読み取ったのか、長身くんが軽く手を挙げて言った。


「こいつバカだからほっといていいよ」


「はぁ!?俺は本気やで!!」


ワーワーっと叫ぶ秋山くんをガン無視で長身くんは微笑みもせずに言った。


「俺は中西陽平。浩太とは小学からの腐れ縁で、夏樹とは高校から仲良くなった。ちなみに帰宅部の2人とは違って美術部に入ってます」


なぜか最後は敬語で締めた中西くんは、ずっと無表情だ。


夏樹とはまた違う、表情筋がすごく発達してない感じ。


夏樹はどちらかというと常にボーッとしている。


何か違う2人だけど、雰囲気はすごく似てると思う。
< 45 / 224 >

この作品をシェア

pagetop