アサガオを君へ
私はドキドキした胸をおさえながら、苦笑いをして言った。


「ごめんね。私、全然役に立たなくて」


「いや、この前のクッキーのお礼。俺は料理と勉強しかできないから」


「いやいや、それができたら十分だから」


私は無表情で火を見つめる中西くんの顔を見つめる。


客観的に見て、かっこいいと思う。


とても落ち着いていて、綺麗な目をしている。


奥二重の目がとても大人っぽい。


高校生には全然見えない。


身長もスラッと高いしスーツなんて着たら、30代くらいに見える。


でもそれは嫌な老け方じゃなくて、綺麗なのだ。


雰囲気も姿形もとても洗練されている。


なんて言ったってそれを納得させてしまう、この無表情さ。


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