アサガオを君へ
珍しく口籠り、私に話しかけてきた夏樹が、私にはとても異様に見えた。


何かを告げたいらしく、こういうときの夏樹を急かすと、何も話してくれなくなるから私はひたすら待つ。


でも、夏樹は少し戸惑ったように微笑んだ。


「ただ…飯が焦げるとダメだなって思っただけ」


誤魔化した。


私はジーッと夏樹の目を見つめた後、微笑んで言った。


「そっか。気分悪くなったらすぐに言ってよ」


「うん」


そう言って夏樹はその場にしゃがみ込んだ。


私もその横にしゃがみ込む。


夏樹は口に手を当てた。


まるで表情を隠すような仕草に、あえて私は何も触れなかった。


「どう?陽平と仲良くなれた?」


「あぁ…うん。良い人だね」


私がそう答えると、目元を緩ませて誇らしげに言った。


「そうだろ。浩太もバカだけど、そこも合わせて良い奴なんだ」


目だけでわかる。


本当に嬉しそうに話す夏樹を見て、私も嬉しくなった。


こんな風に言える友達が夏樹に居て嬉しい。
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