アサガオを君へ
そこら辺の女子より細くて長い手足に、小さい顔。


肌の色は白よりも黒に近くて、瞳の色はこげ茶。


染めていない髪の毛を綺麗にセットしている。


一瞬クラスの視線が夏樹に集まった。


先生は夏樹に目も向けず言った。


「遅刻はお前だけだ。空いてる席に座れ」


クラスのみんながホッとして、視線を真から下げた。


朝から怒鳴り声が飛ばなくて安心しているらしい。


でも、私だけは夏樹の表情の変化を見逃さなかった。


ムッと眉間にシワをよせている。


これは夏樹が怒った時によくする癖だ。

< 6 / 224 >

この作品をシェア

pagetop